資料確認:2026年10月5日。ここで紹介するのはバジル一般の知識です。このお部屋で育てている株の品種は未確認で、記事の数値はこの株を測ったものではありません。
バジルは、シソ科の一年草あつかい
料理に使うスイートバジルの学名は Ocimum basilicum L. です。1753年のリンネ『Species Plantarum』597ページで最初に記載された名前で、いまも正名として扱われています。属は Ocimum、科は Lamiaceae(シソ科)です。出典:キュー植物園のデータベース。
生活形(暮らし方の型)について、同じデータベースは「一年草または小低木」と書いています。寒さに弱いため、日本やアメリカの温帯では、毎年まきなおす一年草として扱われます。大学の栽培資料も、毎季節まきなおす必要がある寒さに弱い一年草だとしています。出典:イリノイ大学エクステンション、ペンシルベニア州立大学エクステンション。
シソ科の仲間には、ミントやローズマリーがいます。見分けの手がかりは茎と葉のつき方です。くわしくはバジルの小ネタで扱っています。
原産は、アジアの熱帯から亜熱帯
Kew のデータベースは、原産の範囲を「熱帯・亜熱帯アジアからオーストラリア北部まで」としています。インド、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、中国南部、インドネシア、フィリピン、ニューギニアなどが含まれます。生育する環境は、季節的に乾く熱帯です。
いっぽう導入先は非常に広く、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、太平洋の島々まで記録されています。イタリア料理の印象が強い植物ですが、原産地はアジアです。
「季節的に乾く熱帯」が原産ということは、年中じめじめした土が本来の環境ではない可能性を示します。ただしこれは原産地の気候の記述で、鉢で育てるときの最適な水分量を示したものではありません。土の水分については水の観察で扱っています。
発芽の温度と日数は、資料によって違う
ここは注意して読んでください。種をまいてから芽が出るまでの条件について、大学の資料どうしで数字が食い違います。
| 資料 | 発芽の温度 | 発芽までの日数 | 定植・株間 |
|---|---|---|---|
| Illinois Extension | 培地が21℃(70°F)以上 | 5〜7日 | 土が16℃(60°F)以上。苗づくりに3〜4週間 |
| Penn State Extension | 21℃(70°F)前後 | 記載なし | 深さ約6 mm、株間25〜30 cm(10〜12インチ) |
| Utah State University Extension | 土が24〜29℃(75〜85°F) | 10〜14日 | まず7〜10 cm、最終的に30 cm(12インチ)間隔 |
出典:Illinois Extension、ペンシルベニア州立大学エクステンション、ユタ州立大学エクステンション。
どれも大学のエクステンション資料です。片方を正解とは言えません。地域の気候、測った場所(培地の中か、空気か)、品種の違いが関わっている可能性があります。家庭で育てるときは、自分の環境で何日かかったかを記録するほうが役に立ちます。
育つと、どのくらいの大きさになる?
イリノイ大学の資料は、草丈を12〜18インチ、およそ30〜45 cmとしています。葉色は緑から紫まで。紫色のもとはアントシアニンという色素です(出典:キュー植物園の解説)。葉の大きさも、レタスのような大きな葉から、半インチ(約1.3 cm)の小さな葉まで幅があります。品種によってかなり違います。
光については、ペンシルベニア州立大学が1日6〜8時間以上の日なたを挙げています。気温については、27℃(80°F)に届くと葉の展開が本格的に進む、という書き方をしています。
- 草丈:およそ30〜45 cm(品種による)
- 葉色:緑から紫
- 日照:1日6〜8時間以上の日なた
- 葉がよく出る気温:27℃(80°F)あたりから
- 寒さ:約4℃(40°F)を下回ると葉が変色する
この庭の発芽の記録では、どこまで言える?
このお部屋のバジルは、2026年6月28日から記録しています。2回目のたねまきは7月24日で、3日後の7月27日に発芽しました。イリノイ大学の「5〜7日」に近く、ユタ州立大学の「10〜14日」よりは早い結果です。
ただし、これは1回の記録です。培地の温度を測っていないため、どの資料の条件に当てはまるのかが分かりません。種の品種も、まいた深さも、そのときの土の温度も記録がありません。1件の記録から、どの資料が正しいかを決めることはできません。
さらに言えば、7月27日の写真に写っている芽が、7月24日にまいた種から出たものかどうかも確認していません。7月24日には間引きと水耕栽培の開始も記録されていて、同じ日に複数の容器が写っています。成長観察のふりかえりで書いたとおり、この日をまたぐ写真を同じ株の経過として扱うことはできません。「3日で発芽」は、この条件つきで読んでください。
草丈も測っていません。段階の移り変わった日付は葉がかたくなる時期の表に、写真は成長の記録にあります。
測っていないもの
- 品種(「スイートバジル」の表示は確認したが、品種名の特定はしていない)
- 培地の温度(空気の温度だけを測っている)
- まいた深さ、株間
- 草丈、葉の枚数、節の数
- 葉の大きさ、葉色の測定値(写真の色は照明とカメラの補正で変わる)
- 土の種類と配合、pH
この記事は、出典に基づくバジル一般の説明です。このお部屋の株で確かめた内容ではありません。言葉の意味は観測のことば、記事の読み方はこのサイトの歩き方にまとめています。
この記事の出典
本文では短い名前で示しています。正式な題名と発行元はこちらです。すべて2026年10月6日に発行元のページで確認しました。
まとめ:発芽の日数は資料どうしで倍ちがう
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 出典から言えること | スイートバジルは Ocimum basilicum L.、シソ科 Lamiaceae。1753年の『Species Plantarum』597ページで記載された正名です。原産は熱帯・亜熱帯アジアからオーストラリア北部まで。季節的に乾く熱帯の環境に生えます。生活形は「一年草または小低木」。1年で枯れることもあれば、低い木のように何年も残ることもある、という意味です。草丈はおよそ30〜45 cm、日照は1日6〜8時間以上、27℃あたりから葉の展開が進み、4℃を下回ると葉が変色します。 |
| 資料どうしが食い違うこと | 発芽の条件。イリノイ大学は培地21℃以上で5〜7日、ユタ州立大学は土24〜29℃で10〜14日、ペンシルベニア州立大学は21℃前後と書いています。どれも大学の資料なので、片方を正解としません。 |
| この庭で確かめたこと | 2026年7月24日に2回目のたねまきを記録し、7月27日に土の芽を撮影しています。イリノイ大学の記述より早い結果ですが、1件の記録です。その芽が7月24日にまいた種から出たものかどうかは確認していません。 |
| 測っていないこと | 品種。培地の温度(空気の温度だけを測っている)。まいた深さと株間。草丈・葉の枚数・節の数。葉の大きさと葉色の測定値。土の種類と配合、pH。 |
発芽の日数は資料どうしで倍ほど違います。自分の環境で何日かかったかを記録するほうが役に立ちます。
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